奈良県吉野郡天川村にある日本の滝100選のひとつ双門の滝。
滝見テラスから眺めたのはちょうど4年前のGW
これで二度目の訪瀑となる双門の滝であるが、
今回は双門大滝を滝つぼから眺めようと、滝のお仲間と二人でチャレンジした。

ただその道のりは困難と危険がてんこ盛りであったので、
間違ってもこの記事を読んで行ってみようかと思わないで欲しい。
何故ならば自分自身が滝つぼにアタックされた方々の記事を読み漁り、
その行程の困難さは十分に承知していたつもりでいながらも、
しかし心のどこかではそんなでもないだろうと高をくくっていたこともまた事実で、
後にここから帰れるのだろうかと半ば絶望することで、
その考えの甘さを思い知ることとなったからである。

早朝5時10分頃に熊渡を出発。
水のほとんど流れていないガマ滝には6時頃に到着。
20170501_001
一の滝、二ノ滝に到着したのは7時10分頃。
20170501_003
20170501_002
三の滝へは帰りに寄ろうかとも話になったが、
ここは先に立ち寄ることにして7時50分頃に到着。
20170501_004
登り通しで滝見テラスに到着したのは9時10分頃。
前回は視界が悪かったためよく見えなかったと言うこともあるが、
改めて見てみるとものすごい高度感で、
あれが滝つぼかと遥か下を恐る恐るのぞき込む。
20170501_010
20170501_009
滝見テラスでの遠望を終えここからは未知の領域、
登山道をさらに上って降下ポイントとなる橋の所に到着したのは10時頃。
20170501_005
橋を渡って階段を下りた所から脆いガレ場に入った。
20170501_006
少し下ると残置ワイヤーがありそれに掴まりながら進むと、
あちこちに目印のテープが見えてきた。
テープの先を目で追うとどうやらつづら折りにトラバースするルートを示しており、
ワイヤールートの直滑降も危険であるのでここはテープに従ってみる。
どこに行っても本当に踏ん張りのきかない急斜面のトラバースであり、
進んでよいルートと言うよりここを行くしかないかと思われる究極の選択。

11時20分、これまでどうにかつづら折りにトラバースしてきたがいよいよ厳しくなる。
ここからトラバース降下は無理そうなので50mザイルで懸垂下降する。
20170501_007
斜面は一段と立っているのにこれまでの手こずりが噓のようにスルスルと下って行くが、
後々、行きはよいよいを思い知らされるはめになる。
下りた先から滝前の5m程の崖を懸垂下降し双門の滝前に降り立ったのは12時頃。
20170501_008
そそり立つ岩壁とそこに流れるまるで稲妻のような直瀑に、
いつまでも首が痛くなるほど見上げながら感慨にふける。
通常のテラスでの遠望でさえ日本の滝100選最難関と言われる双門の滝、
その滝つぼに今まさに立っていると言うこの現実は、
4年前には想像さえもつかなかったことである。
その達成感から気が抜けたのか滝撮影にいつものような貪欲さが湧かなかった。
思い返せば後悔した点でもあるがその分心で受け止めた滝だった。
20170501_011
20170501_016
20170501_017
20170501_013
20170501_014
20170501_015
いつまでも滝前で呆けている訳にもいかず帰りを急ぐ。
滝前の崖を登り返し50mザイルで懸垂下降してきた地点についた。
下りる時はどうと言う事はなかったが最後の数m程が絶壁でどうにも登り返せない。
降下点のすこし左側にはルンゼがあるがフリーで登るのはちと危険。
そもそも下れないからザイルを出しているのにそう簡単に登れるはずもなく、
ここで残されたのは東側の岩場を登るルートである。
この岩場の急斜面は右側が大岩ステージ、左側がガレ場ステージとなっており、
ガレ場は砂の上に砂利があるアリ地獄のようないくらでも崩れてくる脆い足場で、
当然とばかりに右側の大岩ステージにしがみ付き最初は調子よく上って行くが、
非常に崩れやすい岩場はどんどん登りにくくなり一歩進む毎に落石する始末。
このままでは進退窮まると思い岩場右側の草付きに取り付こうとするのだが、
元々草付き斜面が崩れてガレ場になっているのでどこもえぐれてハングしており、
掴むとサラサラと崩れてしまうので全く身を寄せられない。
取り付き点を模索しながら高度を上げるがどうにも見つけられないまま、
いよいよ登るのも困難な状況になり、その上足場が危う過ぎて降下も出来なくなり、
上にも下にも行けないのならともう横に行くしかなくなった。
再度ハングした草付きに取り付こうと手を伸ばして倒木の細い木の根をやっと掴むのだが、
枯れて乾燥してしまっているので簡単にブチブチ切れる。
もう少し高い所にあるより太い根を掴もうと手を伸ばすが届かず、
何度もブチブチやっているうちにとうとう足場が崩れあわや滑落かと思った瞬間、
最後に掴んだ木の根が切れずに持ちこたえ右手一本で宙ぶらりんになった。
あとはどこからそんな力が湧いてきたのか思い出せないパワークライムでハングをよじ登り、
砂まみれになりながらも倒木の枝を掴んだ時は心底安堵した。

ようやく草付き斜面に生還したがここからの上り返しも気が抜けず、
脆い斜面に取り付きながら登山道への復帰を目指す。
下りの途中で見つけたテープをたどり上って行くとガレ場を通らずに登山道に出た。
ただ登り返しだから見つけられたルートで、上から見てもわからない。
初めから分かっていればここから降りて行った方が幾分かは安全であろう。
そこから先はゆっくりと下山である。
駐車場についた時には、達成感と言うよりもホッとしたのが本音である。
この双門の滝への挑戦は相当にライフゲージを奪われるが、
他では手に入らないレアなレベルアップアイテムをもらう事が出来る、
そんなデンジャラスなボーナスステージのようだと改めてそう思った

MC439196515
170501