奈良県吉野郡天川村にある日本の滝100選のひとつ双門大滝。
双門の滝とは一の滝、二の滝、三の滝、双門大滝の四つの滝の総称である。
日本の滝100選の中でも最難関の滝と言われるこの滝にアタックした記録を残す事にする。

双門大滝は山深くの断崖絶壁を流れ落ちる秘瀑で、その行程は完全な登山となる。
しかも整備された歩きやすい登山道を行くのとは訳が違うようで上級者コースらしい。
豪雨災害等で元々あった橋などが流されていたりしてルートは一部消失。
新たに迂回ルートが作られているが、これが無理矢理と言うか、
かなりきつい道や崖を辿らねばならない所も多い。
滝見には行くが登山は全くの未経験者である自分が果たしてこの難コースを乗りきれるのか?
一緒に行くような仲間が居れば心強い所だが、
こんなチャレンジに付き合うような奇特な方は自分の周りには当然ながら一人も居らず、
少々不安を抱きながらの単独アタックスタートとなった。

5月2日
天気予報は晴れであったが、
双門の滝の登山口となる熊渡に向かう国道309号線を走っているとだんだん曇ってきた。
近づくにつれ高度が上がっていくが、山の上の方を見ると完全にガスが掛かっている。
こんなんで登って行っても果たして滝は見れるのかと不安になって来る。
そんな事を考えているうちに熊渡に到着。
先行者と思われる方の車が2台止まっていた。
車があったことに背中を押されいそいそと準備を整えていざ出発。

撮影機材:Panasonic LUMIX DMC-FT20

6時35分
熊渡ゲートをスタート。


ネットでよく見る双門コース案内図があり、ここからは車でも行けそうな林道をだらだらと登る。
結構傾斜もあり、登りっぱしなので疲れる。


6時57分
林道の分岐点に到着。
どっちに進めばいいのか案内はなくしばし考える。
ここで前日にチェックしたHPに左のガードレールに沿って進むと書いてあったことを思い出す。
予習しておいて良かった。


7時1分
白川八丁に到着。
水は伏流水となって流れているらしく、水のない不思議な光景の河原をずんずん歩いて行く。


7時6分
河原に水が流れ始める。


7時10分
先へ進むために何度か川を渡らねばならない。


7時16分
最初の目的地ガマ滝に到着。
水の透明度は抜群で美しい釜に見惚れてしまう。ここでしばし撮影タイム。


7時30分
ガマ滝を出発しいよいよ本格的な登山道へ。最初は調子よく進む。


7時38分
橋が流されて元々のルートが消失した為の代替ルート。
鎖を頼りに斜めになった岩の上を行くのだが、
岩が濡れて滑り転げ落ちそうになりながらどうにか進む。


7時51分
どうやらまた代替ルートに進むらしい。


8時0分
再び河原に出る。


8時4分
ここで渡渉して対岸へ。


8時10分
テープを慎重に探しながら、大岩がゴロゴロ転がる河原を進む。


8時14分
カニ歩きしないと行けない岩場に到着。ここもネットでよく見る岩場。


8時23分
一の滝、二の滝に到着。下段が一の滝、上段が二の滝。
美しい滝を写真に残すべく撮影タイム。


8時45分
一の滝、二の滝を出発し吊り橋へ。


8時54分
岩小屋と呼ばれる、大岩の下をくぐる場所についた。
ここもネットでよく見る岩場で、この手前に三の滝の滝壺がちらっと見える。
この辺りからコースがさらにきつくなって来る。


8時58分
長い登りの梯子。


9時15分
17番目の梯子に到着。
この辺りから風景が一変し雪化粧となる。
汗をかいた体が一気に冷えるが、きちんと寒さ対策をして来た事に安堵する。


9時22分
鎖場に到着。
ここもよくネットで紹介されている場所。
右側は断崖絶壁で、良く言えば素晴らしい景色が広がっている。
鎖を頼りに岩壁を登るのだが、どうにも足を掛ける所が少なくてしかも滑る。
足の置き場を考えて進もうとするがなかなか上手く行かず、腕力頼みの力業でよじ登る。
ここはとても怖いポイントとして紹介されている事が多いが、不思議と怖いとは思わなかった。


9時34分
29番目の梯子に着いた。
梯子は全部で32あり、29番目からは全て下りの梯子になる。
滝の轟音が聞こえてきてワクワクするが、すでに周りはガスっていて視界が悪い。


9時38分
とうとう双門大滝の滝見テラスに到着した。
ここまでのコースタイムは3時間3分。


残念な事にと言うか、予想通りガスで滝はほとんど見えず微かに白い筋が見える程度。
おまけにチラチラと雪が降ってくる始末。


9時57分
それでもここまで来た記念にと写真を撮っていると、、、なんと言うことでしょう。
ガスが晴れて双門大滝がその全貌を現したではありませんか。
慌ててカメラを構え直し、念願の双門大滝を無事カメラに納めることに成功した。
そしてここに立たねば感じる事が出来ない圧倒的な存在感にちょっと震えた。
この後すぐにまたガスがかかり、滝は見えなくなってしまった。


10時8分
滝見テラスを出発。
後ろ髪引かれる思いだったが、雪も降っており一気に体が冷えてきたので帰りを急ぐ事にした。


10時57分
往路でスルーした三の滝に到着。
岩小屋の先から山側を伝って滝前に降りる事が出来る。
水の流れ、透明度、そして大釜と、美瀑の要素満載の素晴らしい滝である。
ここを見ずに帰っては後悔すること必至であったに違いない。
往路からちらっと見えた滝壺が必ず寄ってと言っていた。


11時25分
一の滝前の吊り橋の所に到着。
往路では気付かなかったが、ここの何気ない梯子が、この先32個も続く梯子の1番目だった。


12時15分
河原で見つけた何か小屋の跡らしい所。これも水害で喪失したものなのか。


12時45分
熊渡に到着した。
往復のコースタイムは6時間10分。
達成感と安堵、そして疲労が一気に襲ってきた。



どの道程もきつかったが、一番きつかったのは28番目の梯子から29番目の梯子までの区間。
ここには崖の鎖場も含まれるが、鎖場よりも辛かったのは木の根だらけの足場の悪い延々と続く登り。
なかなか29番目の梯子が見えて来ず、
息は切れるわ、寒いわ、しかもルートが不明瞭だわで心が折れそうになった。
本当に引き返そうかと思うくらい辛かった。
ただそんな事を考えていたら微かに滝音が聞こえてきて、そこから力を振り絞って登っていった。

コース全般に言える事だが、目印が見付けられずコースを見失う事がしばしばあった。
踏み跡も不明瞭な為に何度かたそがれた。
そして新旧ルートの目印が混在するのポイントがいくつかあり、
特に復路でルートをロストする原因になった。
このせいで復路は結構余計な登り降り(しかも危険)をした。
こう言うのが山での遭難事故の要因になるのだろうと感じた。
本当に危険だったし、それにこのロストがなければコースタイムは6時間を切っていたと思われる。

今回素人なりに準備して双門の滝チャレンジに望んだ。
防寒着、雨具、行動食、非常食、飲み物2リットルなど。
結局パン2個、チョコボール半分、飲み物500mlを消費した。
一番助かったのは滑り止め付きの手袋だった。

無事に下山する事が出来た双門の滝チャレンジ。
忘れられない滝巡りになった。